ロゼタッカルビの流行りが終わったような気がしたのでボツとして放流します。水奈瀬コウのことをネオンがチラチラ輝く映えな韓国料理屋が似合う男だと思ってる。
お腹が空いたと言ったので、嫌がらせ目的でSNSで流行りの店に派手な男を連れて言った。
「居心地悪っ……」
「その割にはにあっとんで」
嫌そうな顔をしているものの、水奈瀬コウがハートやネオンで彩られたおしゃれな韓国料理店がここまで似合うとは思わず、ただ笑ってしまった。
確かによく考えるとこいつの格好は派手で、純喫茶のが似合わない男だった。ただ、彼の気質は純喫茶のが似合っているが。
「何食う? ロゼタッカルビ?」
なんでもない風を装って、いかにも慣れてますとでもいうように告げる。
「はっ? ロゼ?」
案の定目の前の男は混乱を隠せないような様子だった。
「ロゼタッカルビ。あっ、ロゼトッポギのがいい?」
内心ニヤニヤが止まらない。
いや顔に出てるのかもしれない。水奈瀬は嫌そうな顔で聞いてくる。
「……ロゼってなんだよ」
「こんなん」
そう言って生クリームが鍋に乗ってるトッポギ鍋を見せると明らかに不快そうな顔をしてる。
「……普通のトッポギで」
「えー」
「てかお前俺を馬鹿にしたいだけだろ」
「バレたか」
そういうと机の下で蹴られた。
「じゃ、普通のにするか。ここ辛いけど大丈夫やんな」
そういうと水奈瀬はわかりやすく顔を顰めた。
「……タイ料理みたいなんじゃないんだよな?」
そういえば昔、今日みたいにタイ料理の店に連れていくとほとんど合わなくて私ばかりが食べる羽目になった記憶がある。ガパオを突くあの姿はなんだか悲惨だった。
「系統は違うしいけると思うで」
「じゃあ、よくわかんないからお前のおすすめで適当に」
「ほいほい」
店員さんを手をあげてすいませーんと声を出して呼ぶ。昔は苦手だったがいつの間にか慣れてしまった。
言われた通り自分の好きな単品物を適当に頼んで行き、ビールを頼んで水奈瀬を見ると少し困った後にジンジャーエールでと呟いてた。
「飲まんの?」
「今日はやめとく」
「ふーん?」
珍しいこともあったもんだと思いながらも話したがらないなら話さないでいいかと思考を切り替える。
メニュー表をまた見て後で何追加しようかなと考える私と裏腹に水奈瀬は小声で文句を言う。
「ていうかわざわざ大阪来てなんで韓国料理なんだよ」
居心地が悪いみたいだが。
「お前がなんでもええゆうたから」
そう言うと少し押し黙るので畳み掛ける。
「てか、大阪名物なんてどこでも食べれるもんしかないやろ」
「……」
「ほら、なんも言い返せへん」
「うるせぇ」
その反論を無視して続ける。
「粉もんは八割型家でやれるし……551とかも基本おみやげやろ……あとはなんや大阪名物って」
聞いてみるが顰めっ面になるだけた。
「……串カツ?」
ない頭絞って出てきたのはそれだけみたいだ。
でも串カツって。
「それも他のところでできるやろ」
言っちゃなんだが、どこにでもあるだろう。
「……そうだなぁ」
「なんやそんなに大阪感が欲しいならしゃーないからお土産に551でも買ったるわ」
「いらねぇよ」
「面白い恋人のがええゆうんか」
「いらなさすぎる……」
そんな話をしているうちにドリンクがいち早く運ばれてくる。軽く礼を言って話を続ける。
「ほな、月化粧な」
あれも大阪土産だろう。そう思う私とは対照的に水奈瀬にはピンときてないらしい。
「なんだよそれ」
「買ってからのお楽しみ、ほなかんぱーい」
「乾杯」
夜は長いのだ。次は何を語ろうか。
日付不明
2022年12月10日更新